【函館郷土料理】ごっこ汁（ホテイウオ）

道南地区、とくに函館市恵山の名物料理です。
北海道以外ではほとんど市場に出回らないハズの「ごっこ」がなぜか横浜で買えました！
グロテスクな魚って美味しいのが多いのね（笑）。

ホテイウオ（ごっこ）

一般名はホテイウオ（布袋魚）ですが、北海道では「ゴッコ」と呼ばれます。
見た目はアンコウを小さくしたような魚で、ヌメリがありプヨプヨしています。
お腹に大きな吸盤が１つついているのが特徴。この吸盤で岩などに吸いつきます。
旬は冬季で、特に２月の極寒期には美味しいようです。
メスは卵巣もまた珍味で、オスよりも高値で取引されます。
体長30cmほどのものを１匹まるごと買ったのですが、
写真は解体して卵巣を取り出し、身の部分を熱湯でヌメリをとったもの。
解体前のごっこの姿はこちら！

ごっこ汁

見た目はお世辞にも美味しそうとは言えません(笑)。
ごっこ以外の具は、豆腐と長ネギは必ず入るようです。
他にジャガイモやワカメなどを入れることも。
味付けは醤油と酒でシンプルに。
写真に見える小さな白い粒々は卵です。
大きな卵巣を持っていますが大部分は醤油漬けでそのまま食べ
一部を汁の中に入れています。

さて「ごっこ」のお味の方ですが、クセは全くなく淡泊な魚です。
アンコウのような味わいもあるし、スッポンのような力強いコクも備えています。
とにかく全身がゼラチン質。コラーゲンたっぷりでＤＨＡも多量に含まれているそう。
黒い皮も白い身も食感はプニプニのフルフルで、非常に柔らかくなっています。
骨は食べられませんが、これも軟骨状で一般の魚の骨よりずっと軟らかい。
すごく良い出汁が出るし、個人的にはアンコウより美味しいと思います。
北海道恵山町では「こんなに旨い物を自分たちだけで食べるのは申し訳ない」と
町興しの一環として都会にもＰＲしているそうです。

ごっこの卵

卵巣を取り出し、醤油と酒に浸けただけもの。
旬のメスは体の大部分を卵巣が占め、かなり多量の卵がとれます。
卵１個の大きさはキャビアと同じぐらい。
生臭さは皆無で、少し酸味があってプチプチと爽やかな味わいです。
私はこれカズノコやトビッコよりも好き！　下手なキャビアよりも美味いでしょう！
ご飯にかけても美味しそうだし、軍艦巻きにしても合いそうです。